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羆塾のヒグマ対策

 羆塾のヒグマ対策は、アラスカにおける対ヒグマ・リスクマネジメント(RM)に加え、2004〜2014年に北海道北大雪(きたたいせつ)の丸瀬布エリアにおける様々な調査・観察・試行錯誤で得られた事実をもとに、北海道各地域の環境・事情に逐一最適化しおこなわれています。そのRMは食物の管理・防除から始まり、ヒグマの調査・分析・判断を経て捕獲対応まで含みます。

対策概念図
  Stage1.調査・把握
    A.追跡調査
(ベアドッグを用いたヒグマの追跡把握)
    B.痕跡調査
(三つのトラップ調査:a.カメラトラップ b.チョークトラップ c.ヘアトラップ)
  Stage2.分析・判断―――ベアプロファイリング
  Stage3.対策

    A.防除―――電気柵・バッファスペース
    B.教育―――威圧・追い払いによる忌避教育
    C.捕獲(致死処分)―――原則、ハンターによる射殺



Stage1.調査・把握―――痕跡調査と追跡調査
 ヒグマを把握するための調査には、大まかに分けて痕跡調査と追跡調査があります。単にヒグマの食痕・足跡・踏み跡・爪痕などを調べることに加え、積極的にトラップ(罠)を仕掛けてそこに引っかかったクマのあれこれを見る痕跡調査と、実際にヒグマを追ってそのヒグマの反応や遭遇時の態度からいろいろを読もうとする追跡調査があります。狩猟で表現するならば、痕跡調査は「罠猟」の要素を持ち、追跡調査は「クマ撃ち」の要素を持ちますが、羆塾はベアドッグを駆使し一定以上のトラップ調査をおこないつつ、むしろ後者に特化した団体です。ベアドッグの真価もそこで最大限に発揮されます。

A.追跡調査
 ・ベアドッグを用いてヒグマを追う方法で、問題個体に対しては意図的遭遇にまで持ち込みます。
  場合によっては、風向きを確認しマークした個体が通りかかるのをじっと待つこともあります。
B.痕跡調査
 a.カメラトラップ=自動カメラを仕掛け、その前を通ったクマの姿を時刻とともに記録します
 b.チョークトラップ=石灰をまいてヒグマの足跡(おもに前掌幅)を採取します。
 c.ヘアトラップ=バラ腺を設置しヒグマの毛を採取し、遺伝子検査をおこないます。

A.追跡調査

 羆塾の重要視している追跡調査はもちろん対象のヒグマの性質を測るための調査ですが、被害防止対策に連続的につなげることも可能です。先述したようにベアドッグを用いた追跡調査はいにしえのクマ撃ちの作業に酷似しており、銃器の代わりに優秀なベアドッグを連れヒグマを追います。その追跡能力はクマ撃ちをはるかに上回り、執拗かつ正確に追うことにより相手のヒグマは「ヒトからは逃げる存在」であると意識が刷り込まれます。この刷り込みの教育によって、ヒトやヒトの活動域への警戒心も植えつけられ行動の変化が見込まれます。

B.痕跡調査
 ヒグマの生活で自然に残した糞・食痕・爪痕・足跡・/通り跡などの痕跡を調べることに加え、より積極的にヒグマのデータを採取する方法として以下のような方法を羆塾では採用しています。

a.カメラトラップ
 センサーつきの自動撮影カメラは狩猟の盛んな北米で普及・進化しましたが、動物のトレイル(通り道)に仕掛けるためトレイルカメラと呼ばれています。現在では安価な機種でも性能アップしていて、日本の場合、ハンターではなく野生動物の調査員・研究者に多用されています。現在では1分程度のHD動画が撮れる機種もあり、前に現れたヒグマの映像をそれなりに鮮明に撮れるので、個体識別にも役立つ場合があります。また、トレイルカメラには日時も逐一記録されるため、その個体がそこをいつ通ったかもわかります。


b.チョークトラップ

 これは、単にヒグマが通りかかったかどうかだけではなく、通りかかったクマに特にアスファルトの上にまいた石灰を踏ませ、同じくアスファルトの上にそのスタンプを押させることで、かなり正確にそのヒグマの足跡の前掌幅がわかります。若グマが増えたエリアでは、トレイルカメラの映像からだけでは個体の識別が困難なケースは多々ありますが、この石灰の前掌幅で識別可能なことも意外と多くあります。通常ヒグマの足跡を表現するときは一次元の前掌幅を用いますが、実際の足跡は二次元なので、石灰スタンプの分析から前掌幅が同一でも別個体であると判断できる場合もあります。

c.ヘアトラップ
 昔懐かしいバラ腺を低めの高さに張り、そこを通りかかるヒグマの毛をむしり取る方法で、多くの場合ヒグマを寄せる誘引物質(魚の切り身・クレオソートなど)が使われます。採取した毛は遺伝子検査に回され、やはり個体識別に役立たせます。遺伝子による個体識別法も100%ではありませんが、利点として、ヒグマの経年変化に左右されず検査をおこなえること、あるいは繁殖の可能性を吟味できる点でしょう。
 羆塾でおこなってきた体毛採取は人為的な誘因物を一切用いず、追跡調査でガードレール、立ち樹、風倒木などに付着した毛を読んで採取する方法をとってきました。毛の採取も科学的調査として大事でしょうが、そうしてヒグマの通ったあとを正確にトレースする技術を身につけるには、この採取法が効果的で、現場の対策員としては欠かせない活動となっています。


Stage2.分析・判断―――ベアプロファイリング
 上の二つの調査に加え聞き取りや周辺環境の把握をして、そのヒグマの性格・性質・学習方向と度合い・性別・年齢まで、できる限り推定します。この作業を、羆塾では犯罪心理学になぞらえ「ベアプロファイリング」と呼んでいます。これは状況証拠の累積で推理を含みますから、調査・対策をおこないながら修正を加えていく種類のものです。調査と観察をして働きかけ、その反応からまた推理して把握をする。その連続作業で、断定的に決めつけることは、特にヒグマの場合は避けなければなりません。
   ベアプロファイリングで最も重要なことは、ヒトに対する危険度です。その要素としては、ヒトに対する警戒心と攻撃性があげられ、人為物(人の食べ物)に執着しているかどうかも大事です。各種調査は、これを的確に把握するための材料集めといっても過言ではありません。


Stage3.対策
A.防除と教育
     
 従来的に北海道では漫然とクマを怖がったり迷惑がったりしつつ、クマが目撃されたり何か問題を起こしたら「捕獲」という、いわば捕獲一本槍のクマ対策がおこなわれてきました。が、開拓期から100年それを続けて何か解決したかというと、ほとんど何も解決していないばかりか、近年では混沌と問題が慢性化しお手上げ状態の地域も増えてきました。クマが目撃されただけで猟友会に丸投げして捕獲対応をとるのはもちろんですが、問題を起こすクマを捕獲して殺す前に、やらねばならないことがヒト側にあるのではないでしょうか。それが「防除と教育」です。高知能なヒグマの防除はなかなか奥が深く一概に言えませんが、例えば農地や菜園・墓地などの経済被害を防ぐには「電気柵」が最先端で最も効果的な方法です。

 一方、食物誘因がないのに若いクマがフラフラと好奇心で人里や街を歩くことがあります。これに対しては、人やヒトの活動に対する意識を変えなくてはならないので、教育手法に頼ることになります。学術的には学習行動といいますが、ヒトにとって好ましい行動をとれるように、ヒトがクマを一定レベルで学習させなければ、特に成長過程の若いクマは軽率で不用心な行動をとって迷惑な存在になりがちです。羆塾では、このくまへの働きかけを「教育」という言葉で明確に位置づけています。
  

 
B.捕獲―――最後の手段は速やかで確実な捕獲
 Stage3ーAの事前の予防対策をとったにもかかわらず、中にはクマ用に設置された電気柵を巧妙に越えてきたり、教育効果がなかなか現れず軽率にヒトの活動域を動き回る個体も生じる可能性はゼロではありません。防除・教育に失敗し不能状態に陥った際は、速やかに判断をして捕獲対応をとる必要があります。が、現状の猟友会ベースの対応では「速やかかつ確実に」という捕獲はまず不可能です。羆塾では、「クマ撃ち」と呼ばれるクマ猟に熟練したハンターを揃え、いざというケースにも対応しています。
 また、捕獲せねばならないヒグマが生じた場合、追跡から捕獲までのすべての作業で、やはりベアドッグが本領を発揮します。

ちょっと休憩
 ヒグマの調査といっても、相当な時間と労力を支払っても完全にそのヒグマを把握できるわけではありません。数も多い若いクマの場合、年齢やオスメスの判断もなかなかできないのが普通です。しかし、従来の北海道のように、ヒグマに対する曖昧な思い込みや風説・迷信レベルの情報ではなく、できるだけ事実本位にヒグマを把握し、十分な考察のもと幾つもある対策から最も合理的な対策を選択して最適な順序で実践しなければ思うような効果は得られません。
 じつは、ここにあげた「事実本位」と「合理性」。これが満たされていれば、難解に見えるヒグマ問題も速やかに、意外とあっさり軽減・解消へ向けることができます。すなわち、ヒトとクマとそれらが暮らす環境に摩訶不思議に絡む事実のあれこれが、私たちにはまだしっかり見えていないと思います。優秀なヒグマの専門家が三人集まると、たいがいの部分で認識や意見が一致するものですが、残りの一部に関して「どうなっているのかな?」「本当のところはわからないね」と終わるのが普通です。だからこそフロンティアワークと言えるのもかも知れませんが、「わかっていないことをわかっている」のが大事なことで、現場の研究者・活動家はついつい解りたくて調査や観察に明け暮れる生活を送ってしまうのです。

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